最近はいろいろなことに忙しく、なかなかブログのアップデートも、そもそもの自宅レコーディング作業も思うように出来ずにいましたが、この夏休み中に8月8日に発売されたシカゴの初期ベスト・アルバム”CHICAGO IX:Greatest Hits Expanded”をアナログ盤(2枚組)とCDで入手したので、それについて書き留めておきたいと思い立ちました。元々の “CHICAGO IX : CHICAGO’S GRATEST HITS”がリリースされたのは1975年11月で、 “Old Days”などを収めた “CHCAGO VIII”の発売後でしたが、”VIII”からの曲は収録されておらず、”VII”までの曲で構成されたベスト盤となっていました。当時のシカゴはコンピレーション盤のリリースについて非常に厳しく、唯一バンド公認で発売されたベスト盤は1971年の初来日時に日本のCBSソニーが本国と掛け合ってリリースが許された”栄光のシカゴThe Great Chicago”のみでした。このアルバムはA面がファーストアルバムからの6曲、B面がセカンドとサードから3曲ずつと言う構成で、収録時間もほぼ60分と言う大盤振る舞いで、サード迄のシカゴのエッセンスが堪能できる内容でした(そのためカッティング・レベルがやや低いのは仕方がないでしょう)。ファーストから3作続けて2枚組でリリースされていた彼らのアルバムを購入するのは未だガキンチョだった私の小遣いでは難しく、一番最初に買ったシカゴのアルバムがこの”栄光のシカゴ”でしたが、すっかりそのサウンドに打ちのめされてしまいました。日本ではそれ以外にギフトパック・シリーズという2枚組コンピレーション盤がCBSソニー独自の企画シリーズとしてリリースされていましたが、これらは本国の許可を得ないまま発売されていました。言わば、 “オフィシャル・ブートレグ” って感じですかね。そして満を持して本国アメリカで公式にリリースされたベスト盤が “CHICAGO IX Chicago’s Greatest Hits”だったという訳です。

栄光のシカゴ The Graet Chicago
「栄光のシカゴ」のジャケットとインナー

最近は彼らもオリジナル・アルバムよりもコンピレーション盤や過去のライブ音源の発掘の方がメインになっている感がありますが、デビューして50年以上経った今となっては、当時のように毎年新作アルバムをリリースするのは無理というものでしょう。今回のリリースは”IX”のリリース50周年記念拡大版という触れ込みですが、最初の”IX”に収録されていた11曲だけでトータルタイム47分ほどになり、もしあと10曲追加してCD1枚にまとめるとすると、30分弱しかないことになります。そこでRhinoが取った方策は、何曲かをシングル・バージョンにして曲サイズを短くする、と言う方法でした。元々”IX”に収録されていた曲の内、”Make Me Smile”のみはシングル・バージョンで収録されており、イントロをバッサリとカットし、エンディングに”Now More Than Ever”を継ぎ足したエディット・バージョンでした。この他、”Does Anybody Really Know What Time It Is?”はイントロのピアノ・ソロをカットしたバージョンでしたが、他は基本的にアルバム・バージョンがそのまま使われていました。ベスト盤はシングル・ヒット集なのでシングル・バージョンで構成するのは有りだとは思いますが、そうするとコンセプトが当初の”IX”とは違ってしまう…。 更に今回曲順の変更も行われ、元々”25 Or 6 To 4(長い夜)”で始まるところ、彼らのファースト・シングルであった”Questions 67 And 68″で始まる曲順に変更されています。ところがここで選ばれた音源はファースト・シングルの “Questions 67 And 68” 1969年シングル・バージョンではなく、1971年に再発された2コーラスにエディットされたバージョンでした。尚、セカンドアルバム収録曲の”Make Me Smile”と”Colour My World”、 “25 Or 6 To 4″はスティーヴン・ウィルソン・リミックス(のエディット版)で収録されていますが、耳新しいバージョンとしてはそれくらいかと思います。ということでシングル曲を発売順にシングル・バージョンでと言うコンセプトでもなくなってしまいます。こうなると、殆ど当初の”IX”のコンセプトとは変わってきてしまいますので、別物の新しいコンセプトのベスト盤としてリリースしてほしかったところではあります。”IX”の拡大版とした方がジャケットを新しく作る経費も節約できるという事情もあったのかも知れませんが、旧来のファンにとってはちょっと不満の残るリリースですね。

Chicago at GranCube Osaka 2024
昨年9月の来日公演より(大阪グランキューブ)

ところでシカゴも昨年9月に8年ぶりの来日を果たし、その時はキーボードのロバート・ラムも元気に参加していましたが(まぁショルダー・キーボードを持ったり、12弦ギターを持ったりして歌うことは無くなり、ちょっと高域も声が出にくくなってはいるようでした)、今年の春からスタートしたアメリカ国内ツアーには殆ど参加しておらず、時にはトロンボーンのジェームズ・パンコウもお休みしてニック・レーンがトラで入ることもあって、オリジナル・メンバーがリー・ロックネインしかいないというステージもあるようになってしまいました。オリメンも80の声を聞くようになり、過酷なツアーを続けていくのがだんだん難しくなってきたのはやむを得ない所でしょうか。ピーターのように「ツアーが多過ぎて家族といる時間が少ないから」と言って脱退したメンバーも何人かいるので、これだけの本数ツアーをし続けるのは大変なんでしょうね。

話は変わりますが、昨年9月に”CHICAGO IX”のブルーレイ・オーディオ・ディスクがRhinoから発売になっています。こちらはハイレゾ・ステレオ・ミックスと4チャンネル・ミックス(当時アナログ盤でリリースされていたSQ4チャンネル・ミックスを使用)、新たにミックスされたドルビー・アトモス・ミックス・バージョンの3バージョンが収録されていますが、こちらの方が買う価値としては高いなぁというのが正直なところ。(ページ・トップの写真の右下)ドルビー・アトモス・ミックスはヴォーカルの明瞭度が高く、ファーストアルバム収録曲のドルビー・アトモス・バージョンが聴けるのは今のところこの盤のみなので、お薦めしたいです。私の自宅オーディオ・システムはドルビー・アトモスに完全対応しているわけではありませんが、センターチャンネル用サウンドバーがあればそれなりに効果があるようです。欲を言えば是非スティーヴン・ウィルソンにファーストアルバムのドルビー・アトモス・ミックスをやってもらって(ついでに評判の悪いティム・ジュサップ版のリミックスはお蔵入りさせて2ミックスもリミックスしてもらい)ブルーレイ・オーディオもしくはDVDオーディオで発売してもらいたいものです。

Chicago IX BluRay Version
BluRayディスク版の”CHICAGI IX CHICAGO’S GREATEST HITS”

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