メイン・コンソールYAMAHA 02Rの話の中で、リア・パネルに4つある拡張カード・スロットにはADAT I/Oカードが2枚とAES/EBUのI/Oカード、そしてTC UNIT-Yが差さっていることを紹介しました。今回はその中のTC UNIT-Yカードについて書いておこうと思います。

TC UNIT-Yはその名の通り、デンマークのt.c.electronicが02R用に発売していたエフェクト・ボード・カードですが、私がこのカードを入手したのは、元々t.c.のコーラス/フランジャーTC1210を使用していて、そのかかり方が気に入っていたこともあり、t.c.のエフェクターには好印象を持っていたことが理由の一つでした。それとマスタリングの現場でt.c.のFinalizerを使うことも結構ありましたので、t.c.サウンドに結構なじんでいたということもありますね。このTC UNIT-YにはFinalizerのプリセットも搭載されていましたので、それも購入の理由だったと思います。

SparkXL
Spark XLのスクリーンショット

実は私は当時、マスタリング・ソフトとしてt.c.のSpark XLというTDM対応のソフトを使っていました。このソフトはMac用のマスタリング・ソフトとしては結構使い勝手が良く、t.c.純正のプラグインも分かりやすいインターフェイスで、かなり使い込んだものでした。当時の当スタジオのシステムはメインのDAWがProToolsで、ProTools 24(その後24MIXにヴァージョンアップ)のTDMシステムを使っていましたので、システム的にも上手くマッチしていたと思います。ところが、ある日まさかのディスコンのお知らせが!!普通ある製品がディスコンになると、後継の製品が出てくるものですが、このSpark XLはバッサリと後継製品もなく、Mac用のマスタリング・ソフトは生産終了、ということになりました。TC UNIT-Yもほぼ同時期の製品だったのではないかと思いますが、こちらは02Rの生産終了とともにディスコンになったということで、まぁ本体が生産終了なので仕方ないかという部分もありますが、愛用していた製品が相次いでディスコンになるという憂き目にあい、しかも後継製品が無いのでサポートもそこで打ち切りみたいな状態で、「なんだかなぁ」と言う感じはありましたが、実は更に後日談があるのです。それはその製品の紹介の時に触れることにして、話を戻しましょう。

TC Unity card
TC UNIT-Yカード

今回の記事を書くために改めて02Rのリア・スロットを確認していて再発見したのですが、実は当スタジオの02Rに実装されているTC UNIT-YカードにはDigital I/Oオプションが搭載されていて、ADATとTDIFのインターフェイスがついていたのです。これは全然自分の意識の中にはなく、今回初めて気づいたというか(^_^;)>。それとも忘れていただけなのか…。まぁ購入してから楽に10年以上経ってますから、忘れていただけかもしれませんが。しかも使っている本人も意識の中に無かったので、ADATのケーブルもTDIFのケーブルもコネクトされておらず、勿体ない状態になっています。当スタジオにはサブミキサーとしてTDIFインターフェイスを搭載したTASCAMのTM-D1000というミキサーもありますし、DA88という8トラック・レコーダーもありますから、多分購入当時に意識にあれば、ミキサーとのシグナルのやりとりとか、DA88の再生などに使っていたと思うのですが、全く使った記憶が無いという。もっともDA88自体が当スタジオが出来た直後くらいに、FM放送のライブ番組用に出張録音に持って出て、収録はDA88→トラックダウンはProTools 24に取り込んでDATに落とすという形でオンエア用マスターを作った時に使って以来、使用する機会が殆どなかったせいもあるかもしれません。今度何かで有効活用したいものです(笑)。

ところでこのTC UNIT-YのプリセットにはM2000系のマルチ・エフェクト(リヴァーブ、ディレイ、ピッチ・チェンジ、コーラス、フランジャー、フェイザー、ディエッサー等)とFinalizer系(マルチバンド・コンプレッサー、エクスパンダ―、リミッター、EQ)があるのですが、イニシャル・ライセンスとしてそのどちらかを選択するようになっています。これも10年以上経っているので忘れていたのですが、当スタジオのTC UNIT-Yはイニシャル・ライセンスとしてM2000系を選択していたので、Finalizer系のプリセットは選択できないようになっていました。TC UNIT-Y購入当初は当スタジオのシステムはMacがPower Mac G4(Digital Audio Dual 533MHz)+ProTools 24だったので、CPUパワーをカバーするためレコーディング時のモニターにかけるエフェクトとして02Rの内蔵エフェクトやTC UNIT-Yを使用していました。ミックスの際にも当時はTC UNIT-Yのエフェクトを使っていたと思いますが、MacがIntel Macの2GHz超になり、DSPプラグインとしてUniversal AudioのUAD-2を使うようになってからは出番が無くなってきてしまいました。しかしTCのリヴァーブは結構好きなので、また復活させようかと思う今日この頃です。イニシャル・ライセンスで選択しなかった方のエフェクトはオプショナル・ライセンスとしてライセンス料を支払うと使えるようになるシステムでしたが、流石にもうディスコンになって10年くらい経ちますから、もうオプショナル・ライセンスの受付はしていないようです。(t.c.のサイトにそういうページ自体が無いですから)

本当はTC UNIT-Yの個々のエフェクトについても書こうと思っていたのですが、意外にもここまで書いただけで長文になってきたので、それはまた別の機会にしたいと思います。10年ひと昔といいますが、さすがにひと昔前のことは記憶が曖昧になるということが分かったのが今日の収穫ですね。

 

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