「Mac miniにSSDを載せてみた」の続編はLate 2012への増設を取り上げてみます。このLate 2012モデルはMac miniとしては唯一クアッドコアのCore i7を搭載したモデルで、これ以降のMac miniにはクアッドコア・モデルは無くなってしまいました。元々は当スタジオのVienna Ensemble Proを使ったプロセッシング分散システムの中に組み込む目的で購入したものですが、これまでは外部DSPユニットであるTC electronic PowerCoreを延命させるためにMacOS 10.8.5(Mountain Lion)で止めてあるiMac Early 2008をシステムに組み込んで使っていました。しかし昨年いっぱいでTC electronicがPowerCoreに関する一切のサポートを打ち切ったため、もはやPowerCoreを諦めてこのMac mini Late 2012を組み込むことにしました。それに際して前回Mac mini Mid 2010のハードディスクをSSDに換装するのに成功したことに味をしめて、このMac mini Late 2012もSSD化することにしました。

Mac mini 2012 リアカバーを開けたところこのMac mini Mid 2012は内蔵ドライブを2基設置できる構造になっており、2.5インチ・ドライブを上段、下段の2基組み込めますが、元々組み込まれているHDDが上段に組み込まれている機体と、下段に組み込まれている機体の2種類があるそうです。上段に組み込まれている機体は比較的増設が容易(裏蓋を開けて下段の空いているスペースに増設するため)ですが、私の機体は下段に組み込まれているタイプだったので、ほぼマザーボードまで完全分解しないと増設できないため、かなり難儀をしました。その顛末を備忘録として記しておきます。

Mac mini Late 2012も裏蓋を開けてみると、ほぼMac mini Mid 2010と同じような内部構造で、金網上のアンテナ・プレートと黒いファン・ユニットとCowlingプレートが見えます。

Mac mini 2012ファンを取り外す前回はSAMSUNG製の850EVOを換装しましたが、今回はCrucialのMX500 1TBを秋葉館で購入し、一緒に上段用増設キットという上段用SATAケーブルと工具がセットになったキットも購入してきました。今回は換装ではなく、増設なのでいずれにしてもSATAケーブルが必要だったのと、上段に増設するにはかなり本体をバラさないといけないので、工具も専用のものがあった方がいいと思い、ちょっと割高かなと思いましたが、キットを購入することにしました。トルクス・ドライバーは持っていたため、2本のL型レンチは結果的に不要でしたが、ロジックボード取り外し用のU型工具はあるとないとでロジックボードの取り外しにかかる時間が大分変わるので非常に重宝しました。左の写真の本体左上、Cowlingプレートの下にあるのがその工具です。しかし、1TBのSSDも3万円台で買える時代になったんですねぇ。

バラしていく手順は前回のMac mini Mid 2010と同様ですが、前回より更に分解する部分が多くなるので、時間もそれなりにかかります。ファンとCowlingプレートを前回同様にトルクス・ドライバーでネジを外して取り外します。一度分解を経験しておくとこの辺の手順はもう慣れたものです。外したネジは、どのネジがどこに入っていたかだけは間違えないように、分かるような置き方をしておくのが大切ですね。アンテナ・プレートもトルクス・ドライバー8番で4カ所のネジを外し、ケーブルも慎重に外しておきます。

Mac mini 2012 inside

ここまでバラしたらあとは元々装着されている下段のハードディスクを取り外します。この下段のハードディスクを外すのは前回のMid 2010のMac miniと同様ですので、それ程難しくありません。左の写真の上部に写っている黒いカバーを被ったものが元々のハードディスクです。手前に少しずつ引き出すようにズラしていって外します。ケーブル類も前回同様に外しておきます。さて問題はここからですが、更にマザーボードをほぼ全て取り外さないと、上段にドライブを増設することは出来ません。ここで活躍するのが先程の秋葉館で購入した上段増設キットについていたU型工具です。マザーボードに取り付けられている4本のネジをトルクスドライバーで外し、このU字型の工具をマザーボード下側の2カ所の穴に挿しててこの原理で下側に押し出してやると簡単に外れます。実際に作業に入る前にMac mini Late 2012のSSD換装・増設について書かれたサイトを見て、かなり取り外しが大変そうな印象を持っていたのですが、この工具があると拍子抜けするほど取り外しは簡単になります。まあ1回だけ作業するために工具セットを買うのはもったいないという方もいらっしゃるでしょうが、私は迷わずお薦めします。どちらにしても私の場合は増設なので、増設用のSATAケーブルを用意しないといけませんでしたので、それもセットになっており、時間を短縮できることを考えるとリーズナブルだったかなと思います。

Mac mini 2012 empty insideマザーボードを取り外し、ほぼ完全分解した状態が左の写真ですが、メモリは取り付けたままで問題ありませんでした。上段に取り付けられているHDDを外して換装する場合は更にこの写真に見える枠組みを外さないと、取り付けられているハードディスクを外すのが困難なようですが、新しいSSDを増設するだけならばこの状態からでも増設が可能です。但ししっかり固定するためには一旦引き出してネジ止めした方が良さそうですが、SSDはハードディスクドライブと違って回転するわけではないので、下段のハードディスク同様筐体側の溝に引っかける形で固定するのでも十分なようです。私も横着をしてその方法でSSDを取り付けました。ただしSSDは厚みが薄い(7mm)ので、そのままでは動いてしまう可能性があり、スペーサーを装着して9.5mm厚にした上で取り付けるのが良いと思います。あとはバラした時と逆の手順で元に戻していくだけですが、注意したいのは1カ所ネジが二重になって固定されている箇所があることです。Cowlingプレートの下側のネジは一度締めたネジの上からもう1つネジを締める構造になっているため、これを忘れるとネジが1個余ることになってしまいます。全て戻して裏蓋もはめ、起動させたところ無事元々の内蔵ハードディスクも新たに増設したSSDもしっかり認識しました。メデタシ、メデタシ。最近のMacは小型化されてユーザーがバラせる部分がだんだん無くなってきているので、久しぶりに今回のMac mini2機種で内部にアクセスをしてみましたが、小さい筐体の中に部品を詰め込む工夫がいろいろ考えられていて、感嘆しました。以前Power Mac G4とか使っていた頃は、よく増設やら改造やらしていたものですが、今度は更に難易度が高いというiMac Mid 2011に挑戦してみるか…(笑)。

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