最近自宅でギターの録音をすることが多くなってきましたが、そんな時に使う ギター録音の小物たち を少し紹介します。特にアコースティックギターの録音はいつも頭を悩ませます。本当はちゃんとしたアコースティックギターでマイクを立てて録音できればいいのですが、ちゃんとしたブースがあるわけでもありませんし、一人でプレーから録音までやらなければいけないということで、録音用のPCやらハードディスクやらが周りにある環境での録音になります。ノイズ源がいっぱいある中での録音ですし、後から部分的に修正するときに音が変わる心配もありますので、専らエレアコを使っての録音になる事が多いのが現実ですね。エレアコだと楽器側のプリアンプの設定を変更しなければ、後から差し替えの必要が出た場合も音を合わせるのが比較的楽ということもありますし、ラインで録る方がプライベートスタジオ録音では何かとつぶしが効くと思います。ただエレアコは録音すると音が細くなってしまうのが難だなと常々思っていました。で、今メインで使っているエレアコがこのページのトップに写真を載せている2本。右の黒いのがタカミネのエレアコPT-106で、確か今は亡き秋葉原LAOX楽器館のバーゲンで買ったんだったと思いますが、もう10年以上は使っていますかね。プリアンプにはタカミネオリジナルの「GRAPH-EX Pre AMP」を搭載。トップがスプルースで、バックとサイドはマホガニーを使っているようです。左はアイバニーズのAEW21VK-NT1201で、ピックアップはフィッシュマン、プリアンプはアイバニーズオリジナルのAEQ-SP2だったかと。トップはスプルース、バックとサイドはオバンコール、ネックがマホガニーというモデルです。2本使っている理由は、本来アイバニーズの方は特殊チューニングで使おうと思っていましたが、まだノーマルチューニングのままですので、単純に張ってある弦のケージの違いになります。

ギター録音の小物たち その1 Para Acoustic DI
L.R.Baggs PARA ACOUSTIC D.I.

エレアコをライン録りする時にいつも気になるのは線が細い音になる事で、これをどうやって生ギターに近づけるかなのですが、単純にEQだけではなかなかギターらしい太さを作ることが難しいので、いろいろ調べたところライブ等でエレアコを使っているギタリストがよく使っているD.I.としてL.R.BaggsのPARA ACOUSTIC D.I.の評判が良かったので、これを入手して使ってみました。商品名は”D.I.”と称していますが、実質的にアコースティック楽器用のピエゾ・ピックアップまたはマグネチック・ピックアップに特化したプリアンプと言えると思います。使用する楽器本来の音に忠実であることをポリシーとするとメーカーが言っていますので、その辺がネーミングにも反映されているのでしょうか。実際3バンドのパラEQが装備され、Lowが85Hz、Midが400Hzt~1.6kHz、Trebが10kHzと、アコギ向けを意識したバンド設定で、その間にNotch(98Hz~247Hz)とPresence(5kHz)のコントロールが挟まり、Notchは主にライブ会場でのフィードバック対策用のコントロール、PresenceはPAのホーンスピーカーの鳴りの補正用ということです。勿論、NotchをEQとして使うことも可能で、この帯域をカットすればプーミーになる事が防げ、ブーストすれば音痩せが防げることになります。全体的にアコギに特化した製品なので、これを通しただけでもギターらしいまとまりのある音になる気がしますね。(気がするだけかもだけど)あと実はボディの手前右側にあるGAINつまみの設定が重要らしく、出力の高いアクティブピックアップではこれを上げ過ぎると歪みの原因になりますので、10時位の位置にしておくのが良いようです。逆に本体上面右上にあるVOLつまみはマックスの状態で最高のS/N比が得られるようになっています。この辺りは実際にギターを弾いてみながら追い込んでいく必要がありそうです。(私は未だ最適ポイントが見つけられていないので)しかし音痩せを防ぐという目的にはNotchの設定を追い込むだけでも効果があり、エレアコの録音には欠かせない機材となりそうです。バランスアウトのXLR端子がついていながら、ACアダプタ端子はないというところがいかにもアメリカ製らしい質実剛健さですかね。9Vの006P電池でのみ動作するというのも割り切り方が凄い。

ZBOX & BASS POD

もうひとつ私がギター録音の際にほぼ欠かさず使っている小物にMOTUのZBoxがあります。本来はオーディオインターフェイスにギターを直差しして録音するような場合にインピーダンス・マッチングさせる目的の小物ですが、私の愛用しているエレクトリック・ギターの内1本がギブソン・レスポール・プロフェッショナルというロー・インピーダンス・ピックアップ搭載のモデルのため、そのギターをアンプやギター・アンプ・シミュレータに接続するときのインピーダンス・マッチングのために購入しました。しかしレスポール・プロフェッショナル以外のハイ・インピーダンス・ピックアップ搭載のギターに使っても、アンプ・シミュレータを通したサウンドがよりナチュラルに感じられたので、そのままロー・インピー、ハイ・インピー関係なく、アンプ・シミュレータに接続する前段に使うようにしています。特にLINE 6 PODシリーズはややデジタル臭い音色のデフォルメがどうしても感じられるので、それを和らげる効果はあるように思います。本来的にはアンプ・シミュレータのギター・インプット端子はギターのインピーダンスに合わせた設計となっているはずなので、ZBoxのような装置は不要なはずですが、ギターによって出力は様々なので、これを挟んでみて音がよりナチュラルだ思える方を選ぶ、というような使い方をしています。まぁお値段もそんなに高くないので、お守りみたいなものですかね。

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